今週の注目疾患   2021年 33週(2021/8/16~2021/8/22)
【今週の注目疾患】

【流行性角結膜炎】
 千葉県における 2021 年第 33 週の流行性角結膜炎の定点当たり報告数は 0.24(人)であり、前週の 0.16(人)から若干増加した。
過去 5 年間では 2020 年と同様に低い水準を保っている。
 第 33 週は 8 例の報告があり、性別では、女性が 5 例(62.5%)、男性が 3 例(37.5%)であった。
年代別では、20 代が 4 例(50%)で最も多く、次いで 50 代が 2 例(20%)であり、10 歳未満の患者の報告はなかった。
保健所管内別では、香取(2.0)、安房(1.0)保健所管内からの報告が多くなっていた。
 感染症法施行後の国の発生動向調査によると、季節としては 8 月を中心として夏に多く、年齢では1~5歳を中心とする小児に多いが、成人も含み幅広い年齢層にみられるとされている1)。
しかし、近年の千葉県内においては、報告数全体に占める 10 歳未満の割合の減少が特徴的である。
2017 年から 2019 年までは 20%程度であった 10 歳未満の患者が、2020 年以降は 10%以下になっていた。
相対的に 20 代の患者が占める割合は、2017 年から 2019 年までは概ね 10%前後であったが、2020 年以降は約 20%を占めていた。

 流行性角結膜炎はアデノウイルスによる疾患で、主として手を介した接触により感染する。
アデノウイルスは 51 種の血清型および 52~67 型までの genotype が知られているが、流行性角結膜炎を起こすのは主に D 種の 8、19、37、53、54 および 56 型である。
さらに B 群の 3、7 および 11 型、E 群の 4 型も病因となり得る。
D 種は重症型が多く、他の型が分離される軽症型では、咽頭結膜熱との異同を再検討する1)。

 潜伏期間は 8~14 日である。
急に発症し、眼瞼の浮腫、流涙、耳前リンパ節の腫脹を伴う。
感染力が強いので両方の眼が感染しやすいが、初発眼の症状がより強い。
角膜に炎症が及ぶと透明度が低下し、混濁は数年に及ぶことがある。
新生児や乳幼児では偽膜性結膜炎を起こし、細菌の混合感染で角膜穿孔を起こすことがあるので注意を要する1)。

 感染経路は接触感染であり、流行性角結膜炎の患者やウイルスに汚染されたタオルやティッシュペーパー、洗面器に触れるなどして感染する。
家庭内での感染を防ぐために、こまめに手洗い・消毒を実施し、タオルや点眼液など目に接触するものは共用しない1)、ドアノブや手すり、おもちゃなどをこまめに次亜塩素酸ナトリウム等で清掃、消毒することが効果的である。

■参考
1)国立感染症研究所感染症疫学センター:流行性角結膜炎とは
>>詳細はこちら


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年8月25日更新)