2023年09月15日

22023年 第36週
(令和5年9月4日~令和5年9月10日)

【今週の注目疾患】
■インフルエンザ
 2023 年第 36 週の県全体のインフルエンザの定点当たり報告数は、前週の 4.20(人)から増加して 8.58(人)となった。
第 36 週時点では、過去 5 年間で最も定点当たり報告数が多く、今後の発生動向に注意が必要である。
2023 年第 36 週に報告のあった計 1,751 例のうち、1,628例の迅速診断結果を報告いただいた。
1,628 例の内訳は、A 型 1,517 例(93.2%)、B 型 7 例(0.4%)、型非鑑別キットで陽性 104 例(6.4%)であり、A 型が多かった。

 患者報告数が多かった地域は、松戸(11.9)、市川(11.2)、君津(10.5)保健所管内であった。

 県内の小学校・高等学校において 2023/24 シーズン初となるインフルエンザ(インフルエンザ様疾患を含む)の集団発生による学級閉鎖があり、また、例年より早い時期から患者の増加傾向が見られていることから、県は 9 月 8 日に家庭、保育所、幼稚園、学校等における感染予防策の徹底を呼び掛けた 1)。
 インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感等の症状が比較的急速に現れるのが特徴である。
小児ではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している者では二次性の肺炎を伴う等、重症になることがある。
高熱が続く、呼吸が苦しい、意識状態がおかしいなど具合が悪ければ早めに医療機関を受診されたい。
また、小児、未成年者では、インフルエンザの罹患により、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロと歩き回る等の異常行動を起こすことがある。
自宅で療養する場合、インフルエンザと診断され治療が開始された後、少なくとも 2 日間は、小児・未成年者が一人にならないなどの配慮が必要である 2)。
 インフルエンザ予防のため、こまめな手洗い、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取、室内でのこまめな換気などを心がけていただきたい 1,3)。

■参考・引用
1)千葉県健康福祉部疾病対策課:インフルエンザの流行について(令和 5 年 9 月 8 日)
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2)厚生労働省:令和 4 年度インフルエンザ Q&A
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3)千葉県:インフルエンザから身を守ろう
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■その他
【災害に伴う感染症にご注意ください】
 令和 5 年台風第 13 号の接近に伴う大雨の影響により、県内でも浸水などの被害が出ています。
家屋が浸水した場合、細菌などが繁殖しやすくなり、感染症にかかるおそれがあります。
感染症対策として消毒を実施する際、消毒箇所の清掃が不十分であった場合や誤った消毒液の使用方法(希釈の方法など)の場合、消毒の効果を十分に発揮できない可能性があります。
 清掃の際には、(1)ゴーグル・マスクの着用、(2)手袋・底の厚い靴などの着用、(3)ドアと窓をあけて、しっかり換気、(4)汚泥は十分に取り除き、しっかり乾燥、を心がけてください。
 消毒の際には、ゴム手袋・長靴、ゴーグルなどを着用し、消毒薬は使用上の注意事項に従い適切な濃度で使用してください。
 また、清掃や消毒のあとは、しっかり手洗いをしてください。けがをした場合には洗浄、消毒し、深い傷や汚れた傷、目を洗浄しても充血する場合には医師にご相談ください。
また、消毒薬の使用後はよく乾燥させてください 1,2)。

■参考・引用
1)千葉県健康福祉部疾病対策課:浸水した家屋等の消毒方法について
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2)厚生労働省:被災した家屋での感染症対策
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【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
 2023 年第 36 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の28.68 人から減少し、27.45 人であった。
 地域別では特に市原(40.55)、君津(38.77)、松戸(32.55)保健所管内で患者報告数が多かった。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和5(2023)年9月14日更新)