2024年01月05日

2023年 第52週
(令和5年12月25日~令和5年12月31日)

【今週の注目疾患】
■インフルエンザ
 2023 年 52 週の県全体のインフルエンザの定点当たり報告数は、前週の 25.30(人)から減少して 23.18(人)となった。今シーズン(第 36 週:2023 年 9 月 4 日~)は例年より早期に患者報告数の増加が見られている。

 年齢群別では、2023 年第 52 週に報告のあった計 4,195 例のうち、10 歳未満が 1,490 例(35.5%)と最も多く、次いで 10 代 1,098 例(26.2%)、40 代 409 例(9.7%)であり、20 歳未満で患者報告数全体の 61.7%を占めた。
患者報告数が多かった地域は、長生(33.0)、君津(32.9)、香取(31.3)保健所管内であった。
インフルエンザ予防のため、こまめな手洗い、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取、室内でのこまめな換気、適度な湿度の保持、予防接種などを心がけてていただきたい 1,2)。

≪参考・引用≫
1)千葉県健康福祉部疾病対策課:インフルエンザ警報の発令について(令和 5 年 12 月 13 日)
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2)千葉県健康福祉部疾病対策課:インフルエンザから身を守ろう
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■咽頭結膜熱
 2023 年第 52 週に県内の小児科定点医療機関から報告された咽頭結膜熱の定点当たり報告数は、2.69(人)であった。
現行の感染症サーベイランスを開始した 1999 年以来、過去最高を記録したのは 2011 年第 28 週の 1.52(人)であったが、2023 年は第 39 週時点で 1.57(人)となり、最高記録を更新した。
また、全国における発生状況についても、過去 5 年間の同時期と比較してかなり多いことが報告されている。

 咽頭結膜熱は、発熱、咽頭炎、眼症状を主とする急性ウイルス性感染症であり、アデノウイルス3型、4型、7型、11型などを原因とする。
また、アデノウイルスは、呼吸器疾患、流行性角結膜炎などの眼疾患、感染性胃腸炎などの消化器疾患、出血性膀胱炎、尿道炎などの泌尿器疾患や、肝炎なども起こす2)。
 国立感染症研究所の報告によると、咽頭結膜熱は夏に流行のピークが認められ、2003年以降は冬にも明らかなピークがみられるようになった。
1歳を中心とする小児からの報告数が多い2)。
 アデノウイルスは、接触感染及び飛沫感染するので、頻回の手指衛生対策等による感染対策が重要である。
家庭内での感染を防ぐために、こまめに手洗いを実施し、タオルなどは共用しないこと、ドアノブや手すり、おもちゃ等をこまめに次亜塩素酸ナトリウム等で清掃、消毒することが効果的である。
なお、通常の消毒用アルコールは十分な消毒効果を期待できないため、注意が必要である3)。

≪参考・引用≫
1)厚生労働省・国立感染症研究所:IDWR 感染症週報 2023 年第 50 週
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2)国立感染症研究所:アデノウイルス感染症 2008~2020 年
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3)千葉県健康福祉部疾病対策課:咽頭結膜熱(プール熱)の流行について(令和 5 年 11 月 15 日)
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【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
 2023 年第 52 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の4.73 人から増加し、5.48 人であった。
地域別では、海匝(9.75)、長生(9.71)、香取(9.50)保健所管内で患者報告数が多かった。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和6(2024)年1月5日更新)