今週の注目疾患   2021年 24週(2021/6/14~2021/6/20)
【今週の注目疾患】

【水痘】
 2021 年 24 週に県内医療機関から水痘(入院例に限る)1)が2例報告され、2021 年の累計は7例となった。
7例の届出の内訳は、性別では男性が4例(57%)、女性が3例(43%)であり、年齢は中央値が 62 歳[範囲 28 歳-88 歳]で年代別では 70 代が2例(28%)で多かった。
保健所管内別では、船橋市および安房保健所管内から2例(28%)、印旛、市川、松戸保健所管内から1例(14%)報告があった。
推定感染源別では1例帯状疱疹患者からの感染が疑われる事例の報告があった。
 県内小児科定点医療機関からの報告では、今週の定点当たりの報告数(人)は 0.15であり、直近の発生状況はおおむね横ばい~減少傾向だが、ほとんど発生がなかった昨年の同時期に比べると報告数は多い傾向がある。
 水痘は主に冬から春にかけて発生するが、年間を通じて患者の発生が見られる。
潜伏期間は2~3週間程度で、感染経路は飛沫核感染、空気感染、水疱・粘液等に触れたりすることによる接触感染であり、感染力が高いことが知られている。
小児においては一般的に軽症であることが多いが、成人や乳児、免疫不全患者の場合には重症化リスクがあり、時に致命的になり得る。
また、妊娠中に罹患すると母体が肺炎などを伴い重症化しやすいと同時に、妊娠早期の場合には胎児死亡や先天性水痘症候群を発症するリスクがあるほか、出産の5日前~出産後2日の間に母体が水痘を発症した場合には、児が重症水痘を発症し、致命率が高い。

 感染症法に基づく5類感染症に位置付けられる疾患であり、感染症発生動向調査において2つのサーベイランス(小児科定点医療機関からの報告ならびに水痘に罹患し24 時間以上入院した症例について全数把握)が行われている。
 2014 年 10 月1日から水痘の予防接種は任意接種から定期接種へと移行し、生後12~36 か月に至るまでの児を対象に、3か月以上の接種間隔を空けて2回の接種を行うようになった。
それ以降、定点当たり報告数は速やかに減少し、文献の報告 2)によると、2018 年時点の定点当たり報告数は 2000~2011 年の年平均定点当たり報告数と比べ 78%減少が見られたとされる。
一方で5~19 歳において 2015 年以降減少が見られていないため、これらの年代の発生動向に注視していく必要がある。

引用・参考
1) 水痘(入院例に限る。)厚生労働省
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2)水痘ワクチン定期接種化後の水痘発生動向の変化~感染症発生動向調査より・2019 年第 37 週時点~
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【RSウイルス感染症】
 2021年24週に県内の定点医療機関から報告されたRSウイルス感染症の定点当たりの報告数(人)は前週の0.80から急激に増加し、2.24となった。
5週連続で報告数が増加しており、同時期の発生状況では過去5年間で最も報告数が多くなっている。
保健所管内別では特に習志野(6.5)、船橋市(5.2)、海匝(3.8)保健所管内からの報告が多く見られる。
昨年はほとんど発生が見られておらず、RSウイルスに通常のレベルで曝露されていなかった可能性が考えられるため、細気管支炎や肺炎など重度な症状の発現には十分注意が必要である。
引き続き、感染防止のため、飛沫感染対策としてのマスク着用や咳エチケット、接触感染対策としての手洗いや手指衛生といった基本的な感染予防策を着実に講じることが重要である。


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年6月23日更新)