今週の注目疾患   2020年 38週(2020/9/14~2020/9/20)
【今週の注目疾患】

【侵襲性インフルエンザ菌感染症】
 2020年第38週に県内医療機関から2例の侵襲性インフルエンザ菌感染症の届出を認め、2020年の累計は10例となった。
インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)は莢膜株(a~f型)と型別不能株(non-typeable H. influenzae ; NTHi)ともにヒトの侵襲性感染症の起因菌となる。
本疾患のサーベイランスは、乳児や小児の敗血症、髄膜炎、急性咽頭蓋炎などの侵襲性感染症の起因菌として知られるインフルエンザ菌莢膜b型株(Haemophilusinfluenzae type b ; Hib)に対するワクチンが定期接種となった2013年4月の同時期に始まり、本症の感染症法上の定義は、H. influenzae による侵襲性感染症として、本菌が髄液又は血液などの無菌部位から検出された感染症とされている。
なお、2016年11月から届出基準における診断に用いる検体の種類が追加され、血液・髄液からの検出に加え、その他の無菌部位からの検出も含まれるようになった。
Hibワクチンは、生後2か月から接種可能で、接種開始時期によって回数が異なる。
標準のスケジュールとして生後2か月~7か月未満に開始する場合、27~56日の間隔で3回接種し、その後7~13か月の間隔をおいて1回追加接種を行う(合計4回)。
生後7か月~12か月未満に開始した場合、27~56日の間隔で2回接種し、その後7~13か月の間隔をおいて1回追加接種を行う(合計3回)。
1歳以上5歳未満までに開始する場合、通常1回接種を行う。
 ワクチン導入によりHibによる本症の発生は激減し、現在の報告の多くがNTHiと推察されるが(NTHiは小児および成人の非侵襲性感染症(中耳炎、慢性閉塞性肺疾患の増悪など)の主要な原因菌でもある)、届出時点で血清型(莢膜型)別は多くが未実施となっており、正確な血清型分布は不明である。
サーベイランスが開始された2013年4月以降、県内医療機関から届け出られた全104例についてまとめる。
1)届出数
 2013 年(4 月 1 日から)7 例、2014 年 8 例、2015 年 12 例、2016 年 14 例、2017 年 7 例、2018 年 22 例、2019 年 24 例、2020 年(第 38 週まで)10 例であった。
2)性別・年齢群
 性別は男性 63 例(60.6%)、女性 41 例(39.4%)と男性の割合が高く、年齢群では小児と高齢者にピークを示した。
3)症状
 肺炎を伴う菌血症 53 例(51.0%)、菌血症 48 例(46.2%)、髄膜炎(菌血症を伴うもの含む)3 例(2.9%)であった。
65 歳以上では肺炎を伴うものが半数以上(58.5%)を占め、また 3 例の髄膜炎例は 10~14 歳群、60~64 歳群、75~79 歳群でそれぞれ 1 例であった。

参考:国立感染症研究所 感染症法に基づく侵襲性インフルエンザ菌感染症の届け出状況,2013~2018 年
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【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和2(2020)年9月24日更新)